第43回新日美展出品作品の制作

第43回新日美展出品作品の制作を開始しました。制作工程をこのブログで報告してまいります。

Report_09 形の修正

絵を眺めていると、切り株がどっしりし過ぎると感じました。スリムにしようと修正を始めました。
それと、地平線を上に3~4cm高くしました。右側を1cm程高くして地平線を少し斜めにしました。これに伴い道路のパースにも手を加えました。
そこそこ大きな決断ですが、この段階ならさほど勇気はいりません。

 

Report_08 マチエール作り

<私がマチエール作りに使用する材料>
右から
・モデリングペースト・サンドマチエラー・シェルマチエラー・ジェッソ・ボローニャ石膏・木工用ボンド
もっこり盛り上げたい時にジェッソでなくボローニャ石膏を使用します。

 
私がマチエール作りで主眼を置くのは見た目の凹凸ではなく、凹凸の山や谷に塗る絵具の色彩により複雑な色調を求めるが為です。

今回使用したマチエル材はサンドマチエラーのみで、ジェッソと木工用ボンドで練り込みました。求める明度より暗い色に着色します。場所によりサンドマチエル材を増減させています。増減だけで、後々大きな違いになって現れます。
塗る道具はペインティングナイフ、ローラー、固めの刷毛です。
塗る道具の使い方で様々な変化を付けることが可能です。例えば、ローラーであれば全面を使用するか片端を使うかで表情が異なります。絵具もローラーの全面に乗せるか部分だけにするかで効果が違ってきます。ナイフや筆でも同様です。色々工夫してみて下さい。

Report_07 加色

10日ほど睨めっこしたけれど、インスピレーションは湧いてこない。
禅問答に「ムカデが自分の足を眺めどうすればもっと上手く歩けるようになれるか考えました。ムカデは歩けなくなってしまいました」と・・・
一歩、歩き出すために、考えないで塗っていこう。

Report_06 下塗り

気ままに、適当に色を付けていきます。単に下地を隠くせればとの気持ちぐらいです。
このまま1週間ほど睨めっこします。筆を加えたい気持ちを抑え放置して、頭の中の絵の熟成を待ちます。
構図はいいか、形はいいか、色調をどうするか、マチエールをどうするか?画面と対話し、やり取りを繰り返します。
この時が、私にとって楽しい時であり、これが絵を描きたくなる原動力になっています。

Report_05 明暗計画

このステップでは明暗計画を立てます。真っ白から真っ黒のグレースケールのうちどの範囲を使用するか考えます。頭の中だけですが、この絵でははぼ全域を使おうと計画します。
次に墨1色で明るさを塗り分けていきます。私の基本的な考えでは、一番か明るい場所、中間の場所、暗い場所と大きく三段階に塗分けます。画面全体の大きな明暗のうねりを確認するためです。使用した絵具はアクリルカラーファンデーションの黒のみです。
ここまで進めた後に構図の修正を考えます。

Report_04 題名を「刻橋」とする

私の最近の関心事は、この文明の行く末です。思い悩んでもどうなるものではないのでしょうが、つい考えてしまいます。この絵はその思いを表現しようと試みています。道の先に何があるのか?自然と人為の融合はあるのだろうか?人類は自然の脅威と立ち向かってきました。克服するために言葉や道具を生み出し、一歩づつ階段を登るように進歩してきたのだと思っています。しかし、私にとってはその文化や文明が脅威に感じるようになってきました。階段を登ることを躊躇う思いで新作の題名を「刻橋(きざはし)」と付けてみました。

Report_03 大まかな構図を決める

アイレベルと右寄りの消失点を決める。センターよりやや右側にメインモチーフの朽ちた切り株を配置。根の半分が水につかるように水溜りを描く。消失点に向かって階段と道路のパースを定規を使い線を引く。彩色しても位置を失わないように、ポイントにマスキングテープを張っておく。

Report_02 モチーフを決める

テーマはまだ定まらないのだが、エスキースを書きながらモチーフを決めていきます。
メインは朽ちた切り株。水溜り、階段、道路。
以上を描きながら細部を詰めていこう。

Report_01 キャンバス張り

今回はS100号で制作します。
綿の布を西日暮里の布問屋から購入してきました。この布をタッカーで張っていきます。張る冶具はキャンバスプライヤーではなく20Cmほどの定規を利用しました。布を巻き込みテコを利用して、幅広く均一に布を張るためです。

布を張り終えてからジェッソを塗っていきます。
下地材は絵具の浸み込みを抑える目的と定着と発色を良くするためです。
市販のキャンバスを使用せず、基底材を自作する理由はきめ細かな風合いの画面を作りたいからです。

土屋 政夫

新日本美術協会 委員 葛飾区美術会 副会長